2016年06月16日

キャラバン コンプレッサーが切れる

ニッサンキャラバン 10分ぐらい走るとエアコンが冷えなくなるとのこと

車検で入庫のキャラバン VRE25 平成20年 走行距離約21万q

エンジン掛けたときには冷たい風が出るけど10分ほど走るとコンプレッサーが切れて冷気が出なくなるとのこと。
普通ならもうちょっといろいろ問診しますが、このお車のオーナーさんは電気工事屋さん。
家庭用エアコンのことに精通されてますから症状問診は的を射た話で欲しい情報は全ていただけるので楽ちんです。
いろんなことは省略して核心の部分の問診

Q,
コンプレッサー切れたら次はいつ復帰しますか?
しばらくしたら復帰しますか?

A,
次にエンジン切るまで復帰せず、一旦エンジン切って次乗るときには10分冷えてそのあとは温風に戻る(笑)


と言うお返事。


エアコンが冷えないという症状の原因は多義に渡るのでなかなか故障箇所の絞り込みは難しいですが、少なくともオーナーさんがつかんでる症状は

「10分ぐらいでコンプレッサーが切れて復帰しづらい」

ということですので、家庭用も自動車も冷やす原理は一緒。
違うのは制御関係です。
そのあたりはプロ同士の情報交換できましたので診断開始。


まずはガス残量。
このお車は1年前にエアコンガスリフレッシュを行っていますので、ガス圧をさっと見るだけで極端にガスが減っていないことは確認できました。
ということでガス関係では無く電気的な制御関係、と判断。

ss-P1140482.jpg


となると配線図
整備マニュアルから制御を読み取っていきます。

ss-P1140660.jpg




診断中にコンプレッサーが切れて症状発生。
あわててその時の状況いろいろ見渡すと

・ コンデンサー冷却ファンは回転
・ ガスは減っていない
・ 診断機からの情報ではエアコン関係回路はオン
・ コンプレッサーへは電源電圧が掛かってる

とまでは確認できました。

コンデンサー冷却ファンが回ってるけどコンプレッサーが切れている。
制御は別々??、と回路図を詳細に追いかけます

ss-P1140659.jpg



なんと冷却ファンとコンプレッサーの電磁クラッチは同じ回路で制御されてることが判明


となると怪しいのは

「コンプレッサーの電磁クラッチ」

と瞬間に頭をよぎる。
けれども確信を持てない。

エンジンを切ると確かにコンプレッサーはちゃんと作動する。
しばらく様子を見てると症状再現。
こんなとき内心「助かった」と思います。
診断で確実に症状をつかむには「再現」してくれるのがとても都合がいいので・・・


いままでの条件と自分のカンを頼りにコンプレッサーが切れた状態でリフトアップ。
テストハンマーで電磁クラッチをぐいと押してみたら「カチン」と音がしてクラッチ接続。

コンプレッサーが作動→冷気が甦る


ここで確信が得られましたので、お客さんに報告。
電磁クラッチだけでも交換できるのですが、距離が20万q越えと言うこともあって、本体そのものごと交換した方がいいという判断をしました。

修理の許可をもらいコンプレッサーを中古再生品に交換するために取り外しました。

ss-P1140645.jpg



この中心部分が電磁クラッチ。
電気が流れることでプーリの一部が電磁石となって鉄板を吸い寄せ接続する仕組みです。

ss-P1140646.jpg



たぶん今回の故障の原因は、吸着される鉄板が摩耗してすきまが広がり吸着出来なくなるタイプの故障では無く、電磁石のコイルが熱を持つことで内部ショートして磁力が減ってしまうタイプでしょう。
なので通電状態では復活せず、エンジンを止めて電気の流れが止まるとコイルの温度が下がるので再度働く、熱を持ったら切れる、という症状の繰り返しだったと思いますね。



部品が揃ったら、取付、配管内真空引き、ガスを充填して試運転。
交換したコンプレッサーはしっかり働き始めました。
今年の夏もしっかりオーナーさんを冷やして快適環境のために存分に働いてあげてね〜








posted by てんちょー at 22:25 | Comment(0) | くるまのしゅうり
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